人気声優・竹達彩奈のみずみずしい感性がほとばしる、オリジナル朗読 CD 『ふしぎ工房症候群 Premium 2 「居場所をください」』 ── その中で語られなかった「親友」との友情を描くドラマ CD 第 2 弾、「風の軌跡」。
収録後のメインキャストインタビュー及び、大木民夫さん(「ふしぎ工房の老人」役)からのコメント全文掲載!

集合写真

★ メインキャストインタビュー ★
1. 収録を終えられての感想をお願いします!
2. 今回の印象的なシーンや聴きどころになりそうなポイントは?
3. 「そこに成長はありましたか?」
4. 今作のテーマについて、MAKOさんにお聞きします
5. 「私」と「彼女」の関係は……?
6. 聞いていただく皆さんにひと言お願いします

★ 大木民夫さんからのコメント ★



メインキャストインタビュー

──皆さん、収録お疲れ様でした。早速ですが、まずはお一人ずつ、収録を終えられての感想をお願いします。

能登麻美子さん(「ふしぎ工房の少女」役。以下「能登」) すごく、切ないけれども温かいお話でした。ラストシーンに至る皆さんのお芝居と、最終的には想いの着地点がちゃんとあったことに、こみ上げるものがありました。
情熱の伝わってくるすてきなお話で、またお芝居で、とても今感動してます。
竹達彩奈さん(「私(ない)」役。以下竹達) 今回続編ということで、またないちゃんを演じさせていただけてすごく嬉しいです。それに前回二人は会えずじまいだったので、今回ようやく再会が出来てすごく嬉しかったんですけど……、でもやっぱりその再会の形がちょっと複雑というか、不思議というか……ね?
MAKOさん(「彼女(らぷ)」役。以下「MAKO」) うん。
竹達 らぷが入院っていうシーンでの再会だったのがとても辛かったです。でも、再会して、お互いが思い続けてたこととか、すれ違ってたこととか、全部吐き出せたので、すごくスッキリしたというか、お互いようやく分かり合えたんだなぁって思いました。
結果的にはハッピーエンドとは言えないというか、ちょっと寂しい終わり方ではあったんですけれども、お互い再会したこと、心と心でぶつかり合ったことで、また成長したないちゃんに会うことが出来て、すごく嬉しかったなーと思います。
MAKO うん、うん
竹達 私、演じさせていただくのがもう3作目なので。最初は本当にどうしようもない子だったので
一同 (笑)
竹達 本当に、引きこもりの状態で始まったんですよ。なので、そこからどんどん成長していって、看護師っていう夢も叶えて、立派になっていく姿を見れて、何より良かったなと思います(笑)
MAKO 私は前作で気になっていたりとか、解決しなかったところを、今回の作品で掘り下げていただけて良かったです。ないちゃんの方は、「ハッピーエンドとは言えない」って言ってましたけど、私はらぷちゃんを演じてて、きっと彼女はこれがハッピーエンドって思ってるんだろうなーと思いました。やっぱり、残される側と去って行く側とでは感情が違うというか……こっちはスッキリ終わっちゃってるのが、明日からも生きていかなきゃいけない人たちとの違いというか。
私は演じていて、最初はとても重かったですが、ラストは結構ハッピーエンドな気持ちで終わってしまいました(笑)。いいアフレコでした。
てらそままさきさん(「彼女の父」役。以下「てらそま」) 残されてゆく側の父親としては、母親と同じような病気で娘を失うという、とても辛い状況でした。でも、聞いていただければわかるんですけども、最後にふっと、いいシーンがあって救われたし、とてもホッと出来るかなぁと思いますね。
彼女が亡くなってしまったので、この後彼女の父親は出る幕がないんですけども、どうやって生きて行ったらいいんだろうと……男としては大変辛い人生を歩むんだろうなという気がしますね。これからちょっとね、主人公の、看護師をしているないちゃん、
竹達 はいっ。
てらそま と、何かが生まれるのかな、と
竹達 えー!?
一同 (笑)
MAKO そっちですかー?
竹達 数年後に再婚してたりとか?
てらそま そうそう、再婚とか。
能登 ちょと強烈な展開ですね(笑)
てらそま そっちに向かって邁進していきたいと思います。

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「私」

──では、今回の収録での、印象的なシーンや聴きどころになりそうなポイントを教えてください。

MAKO 全部が印象的なシーンを詰め合わせた感じで。
竹達:そうなんですよね-。どれも話の流れに必要な場面ばっかりだったので、心休まるシーンってほとんどなかったんですよね(笑)
一同 (頷き)
竹達 冒頭の先輩とのやり取りだけ、ちょっと微笑ましい感じだったけど。気がふっと脱けるような、リラックス出来るシーンは、二人が再会してからは全くなくて、重苦しい空気に包まれてたので……。
MAKO 現実なのか夢なのか分からない屋上のシーンは爽やかで、それまでの重苦しさが、ぱっと解けた感じがしました。
私としては、楽になった瞬間ではあった……が、
一同 (笑)
竹達 こちら側にしてみると、みんなが傷を負った瞬間ではありましたよね(笑)
MAKO そうなんだよねー。
竹達 印象的だったのは、らぷちゃんが死なせてって言ってるシーンでした。前作でもずっとニコニコしてて穏やかだったらぷちゃんが、初めて感情を爆発させて、自分の気持ちを伝えてくれたので、受け止める側としてはようやく言ってくれたっていう、切なさがこみ上げる場面でした。
悲しいシーンではあったんですけど、すごく印象的で、こんな風に思ってたんだとか、これだけ辛かったんだとか、改めて感じることのできたシーンだなと思いました。

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──MAKOさんからは前回の収録の時に、こういったシリアスな作品は初めてだと伺っていましたが、MAKOさんと竹達さんとで、この作品を通じてここが成長したなとか、思うことはありますか?

MAKO 成長……
竹達 うーん……?(顔を見合わせて)
MAKO竹達 (笑)
竹達 自分で成長出来てるか、自覚はないので分からないんですけど。聞いた後に心があったかくなる、すごく前向きな気持ちにしてくれる作品だなと思います。
主人公のないちゃんに至っては、母親との、またらぷちゃんとの色んなことがあったりで辛い思いをして、引きこもりで不登校とか、人としては結構底辺なところからスタートしてるんですけど。
今回の作品では、どんなに辛いことがあっても、諦めずに頑張って前を向いていれば、光は訪れる、絶対に救われていく、っていうメッセージを感じました。私も、辛いこととかあっても絶対にめげないようにしようって、思えるような作品でした。
MAKO 私も、自分のことは自分で評価出来ないのでやっぱり分かりませんけど、アフレコをしてて、ないちゃんのモノローグやセリフを横で聞いていて、二人の友情に胸が熱くなりました。
本番でも、鼻水が出ちゃいそうになりながら演じてたりして……ほんとに、彩奈ちゃんの演技がグッときて。
竹達 いやん、もう(笑)
MAKO それで自分も演技を合わせて……彩奈ちゃんに乗せられて出来たなって思います。

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──MAKOさんは今回のお話のテーマ、前回と比べてどんな風に感じましたか?

MAKO らぷってかなり完璧人間で、前作では、実際にはちょっと突き放したくらいの、そんなに気にすることのほどでもないことでも、嫌味とか言った、って後悔しちゃう子でした。
でも、今回は彼女の方が性格が曲がりはじめてて、ないちゃんの方が性格とか良くなってるっていう逆の対比だったので、演じていて良心が痛むセリフもありました。
私、これだけは言っちゃいけないって思うようなこともズバズバ言ってしまって……いや、病気って大変だなーって。

──そこですか(笑)

一同 (笑)
竹達 (笑)うん、病気だからね。
MAKO そうもなりますよ、こんなことになってしまったら。

──大変な病気ですからね。

MAKO 他の人が何を考えているかなんて、なかなか見えなくなってしまうと思います。受け止めてくれたないちゃんに感謝です。

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「彼女」

──お二人にお聞きします。「私」と「彼女」って、どういう関係なんだと思いますか?

MAKO どうしてもこの子じゃなきゃいけないというか、唯一無二の存在だと思ってるんでしょうね。
竹達 ある意味家族より、心のつながりが深いところにあるのかなと感じました。特に、ないちゃんのらぷへの思い入れというか、依存度が強いなっていうのを感じます。
ないちゃんは複雑な家庭環境の中で、存分に愛情を受けられないまま育ってきて、らぷとも喧嘩して信じられなくなって卑屈になって、っていう時期もあったけど、やっぱり一番求めてるのはらぷなんだなっていうのを、改めて今作で感じることが出来たので……。
MAKO お互いめちゃめちゃ憧れてるって感じするよね。
竹達 うん、お互いがお互いをね! 無い物ねだりしあってるよね。
MAKO 嫌いなぐらいに好きみたいな、もう、
竹達 好きと嫌いの表裏一体ってこういうことなんだなって、感じました。

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──では最後に、聞いてくださる皆さんにひと言コメントをお願いします。

竹達 前作(「ふしぎ工房 あの日の約束」)を聞いてくださった皆様が、続きがどうなんだっていうのをすごく気にしてくださったそうで、前作のCDの発売記念イベントをやらせていただいた時も、駆けつけてくださった皆さんから「続きが気になる」と。
例えば前作で明かされなかったふしぎ工房での結末だとか、二人をまた会わせてあげて欲しいとかいう要望を、今回叶えるというか、応えることが出来ました。続編が出来たのも、応援してくださる皆さまがいてくださるからだと思うので、本当にありがとうございますの気持ちでいっぱいです。
今作は、また前作に引き続き、心が寂しいような温かいような気持ちになる作品なんですけども、どうか皆様の心に何かしら残って、感じていただければいいなと思います。
MAKO 色々と考えさせられながら、演じさせていただきました。
台本を受け取って、もう涙なしには台本を読み進められなくて。鼻水をずるずるすすりながら、台本を濡らしながらページをめくって、アフレコ現場に来ました。私は前作でお母さんのこととかも気になっていたので、それも解決されて良かったです。
結果として彼女は亡くなってはしまうんですけれど、何か一つ、希望が残るような……そんな作品になりました。ほんとに考えさせられることがたくさんあると思うので、じっくり聞いて、秋の夜長を楽しんで、みたいな(笑)
竹達 発売されるの秋のなのかしら?
MAKO えー!? じゃあ、冬? ゆっくりきいてほしいです!
能登 すごく繊細なお話だなぁと思います。主人公の二人の間に起こることは、過酷なことが多いですけど、それを二人がどういう風に受け止めるか、葛藤して、すれ違いながらも思いをつなごうとするかっていうのが、心理描写と共にすごく丁寧に描かれているので、じっくり聞いていただけたらと思います。
てらそま 病気や生死といった重いテーマが、前半からずっとのしかかってくる作品です。でも、最後に父親と幼い娘の、まだ希望がある時代が出てきて、そこから物語が一気にラストへ向かっていきます。そこをどういうふうに演じようかな、出来るだけ重さや辛さでない表現で演じたいなって思ってやらせていただいたので、ぜひ聞いていただきたいです。
あと、この作品は「ふしぎ工房」ということなので、これ以降またふしぎな展開になるかもしれないし、
MAKO そっか、そうですよね(笑)
てらそま 素材自体がね、そういう意味ではとても希望がもてるんじゃないかなって思いますので。
戻ってくるかもしれないよー(笑)
一同 (笑)
MAKO 風になったとは……去ったとは書いてあるけど、わかんないですもんね。
てらそま そういう希望を持っていければいいですね。二人が頑張って素晴らしい作品にしてくれたので、ぜひ聞いていただければと思います。

──ありがとうございました!

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大木民夫さんからのコメント

──ご自身が演じられている「老人」のキャラクターについて、お聞かせください。
大木民夫さん(「ふしぎ工房の老人」役。以下「大木」) 老人が「ご注文承りました。・・・では。」と云って刀を振るう。
又、「これ。それを云っては。」と少女を叱る。
キャラクターを掴むのに良いヒントでした。

──アフレコ現場の雰囲気はいかがでしたか。
大木 自信・不安を抱えたら、スタジオに入り、テストの開始を待つ緊張感はいつも楽しいものです。
「風の軌跡」は、重い、深いテーマを持ったドラマだけに、出演者一同、いつも以上の周到な準備と、「我こそ」という気概を感じたのは小生だけではないでしょう。

──今回の作品の聞きどころを教えてください。
大木 起伏の大きい、場面転換の多彩なこのドラマでは、特に音の空間が大きな意味を持って来ます。
「セリフの間」、「効果音」等に聞き耳を立ててみませんか。
「風の軌跡」がより印象強く心に沁み渡ってくるでしょう。

──ありがとうございました!

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